寝る前に低血糖を起こしてる!?…上手に補食を摂ろう!!
糖尿病治療を行っている患者さんでは、薬物治療の影響もあり低血糖を起こすことがあります。
低血糖を繰り返すと自覚症状を感じなくなったり、認知機能に影響を及ぼすともいわれています。
インスリン注射で治療を行っている患者さんの言葉から…
命にかかわる場合もある低血糖とその対処法について勉強しました(^^♪
(「調剤と情報」2008 8月より)
【低血糖の原因】
①摂取量の不足:食欲低下、欠食、下痢嘔吐による喪失
②食事時間の遷延:外出、多忙、検査治療のための絶食
③内容の偏り:糖質不足
④アルコール(特に食う封じに糖質を摂取せず多飲した時)
⑤胃腸の切除、胃腸の神経障害や運動機能低下などによる栄養素の吸収阻害や遅延
⑥インスリン用量、経口糖尿病薬の過剰
⑦運動、身体活動量の増加
⑧インスリン抵抗性の改善
★低血糖予防のためには、食事の摂取状況を確認することが有効!!
特に一人暮らし、高齢者では食事内容の偏りがあったり、時間がまちまちであったりするため注意が必要と思われます。
【低血糖の症状】
血糖値
60~70mg/㎗以下
グルカゴン、カテコラミン、コルチゾール、成長ホルモン分泌
交感神経症状(空腹感、脱力感、冷汗、動悸など)
50mg/㎗以下
認知障害(眠気、めまい、集中力低下など)
視力障害
異常行動
30mg/㎗以下
けいれん、意識消失、昏睡といった重篤な症状
(治療が遅れると脳機能障害や死の危険性もある)
【低血糖対処時の食品】
補食:低血糖を起こした時、または低血糖予防対策として必要なエネルギーを
1日の指示エネルギーに追加して血糖変動の是正を図ること
補うべき食事
→GI値(グリセミックインデックス)によって分類
GI値=血糖上昇指数
同じ量の糖質を含む食品を摂取しても血糖値に及ぼす影響が異なる
GI値→血糖値の上昇が速い
◆補食の使い分け
〈A群〉血糖値を早く上昇させるもの(GI値 90~100)
ブドウ糖(錠剤、ゼリー)、砂糖、ジュース(糖分入り)、キャンディ
〈B群〉血糖上昇 A群より遅く、上がった血糖値を維持するもの
主に炭水化物(GI値 70~90)
ごはん、パン、ビスケット、クラッカーなど
〈C群〉血糖上昇効果は低いが血糖値を維持するもの(GI値 20~40)
牛乳、チーズ、ヨーグルトなど
【低血糖予防の食品の選び方】
⑴交感神経症状が出現した場合
・低血糖状態是正のために
A群 1単位(80kcal)
ブドウ糖または砂糖 10~20g
それに相当する糖質を含むもの(ジュース200~350ml)
・15分以内に症状の改善がなければ同じ対応を繰り返す
・次の食事が近ければすぐに食事を摂り、次の食事まで1時間以上ある場合はB群を
1~2単位摂取する
◆A群 選択のポイント
・1gのブドウ糖=血糖 約5㎎/㎗ 上昇
・ブドウ糖や砂糖は、水やお湯などの液体に溶かして飲用すると効果が速い
・キャンディは溶けるのに時間を要するので急速な血糖値上昇には不向き
・ゲル状のブドウ糖(グルコレスキュー)携帯しやすく最も扱いやすい
・ジュースはブドウ糖含有量が多いものを利用する
(缶は緊急時にプルトップが開けられない可能性があるので注意)
◆B群 選択のポイント
・ごはん茶碗 軽く1膳(100g)=2単位
・コンビニおにぎり 1個=2単位
・食パン 6枚切り 1枚=2単位
⑵運動時
・肝臓での糖新生抑制、筋肉での糖の取り込み増加、筋のインスリン吸収速度亢進
→低血糖出現
・空腹時、インスリン効果のピーク時の運動は避ける
・運動前中後に自己血糖測定を行う
・いつもより強いor長時間運動を行った夜間から翌日早朝の低血糖=遷延性低血糖
運動により消費された肝臓や筋肉のグリコーゲンを再び蓄積するために起こる
★就寝前に 1~2単位 B群orC群を摂取する
◆C群 選択のポイント
・牛乳 コップ1杯=1.5単位
・ヨーグルト 180g=1.5単位
カップヨーグルトでは1単位に満たない場合もある
・6Pチーズ1個、ブロックタイプ1切れ=1単位 スライスチーズ 1枚=0.9単位
・就寝前に血糖測定を実施 血糖値が100mg/㎗以下の時
B群もしくはC群を1~2単位摂取
その後、補食量が適切であったかどうかを経過観察する
★夜間低血糖を起こす場合は、補食での調整よりもインスリン量、種類、注射
回数の検討、就寝前血糖の目標値の修正が必要な場合も多い
・糖尿病妊婦
妊娠初期…インスリン感受性が増強+つわりによる摂取量低下により低血糖
を起こしやすい
妊娠中は血糖コントロール目標が厳しいため低血糖を起こしやすい
無自覚低血糖をおこしやすい患者は特に注意
低血糖の原因、症状の理解、正しい対処法については日ごろから患者に指導することが重要!!
低血糖を予防するために、薬の作用時間や食事時間・内容との関係、補食の摂り方、低血糖になった時の対処法をしっかりと声掛けして指導していく必要があると感じています☺
認知症がよくなるってどういうこと?~認知症勉強会より~
現在の医療で認知症を治す…というのは正直難しい…
でも、本人も介護者も楽にすることが出来るのでは…そんな風に考えて治療をされている先生のお話を聞くチャンスをGET!!
認知症はタイプに分けて考えることもあるが、オーバーラップしていることもあるので一つに絞って薬を使っても対応が難しい場合がある。
認知症診療はまだ歴史が浅く、本人、家族とも診療に満足するのが難しい場合もある。
そもそも「認知症がよくなる」というのはどういうことなのか、ということから考えさせられる講演だった。
大切な人を守るためにアクションを起こす!という先生の気合も感じられ…
【認知症の症状】
中核症状:記憶障害、判断力障害など
周辺症状:陽性…暴力、妄想、不眠、介護抵抗など
【認知症の診断】
家族への問診、長谷川式、時計描写テスト
(認知症診断はCTで行うわけではない!)
認知症を鑑別するため、身体所見、血液検査、頭部CT
(興奮がある場合は落ち着いてからCT検査を行ってもよい)
★認知症診断はざっくりでよい!!
検査をするときは、その検査で本人が幸せになるかどうかを考える。
タイプにこだわりすぎなくてもよい
【認知症のタイプ】
明るく、礼節が保たれ、普通の人に見える
受け答えに違和感がない(取り繕い)
→遠方に住んでいる家族は気づきにくい
頭頂葉の老人斑=迷子、運転ミス
側頭葉(海馬)の老人斑=記憶障害
約20年かけて徐々に発症してゆっくり進行する
②レビー小体型認知症(DLB):アセチルコリンとドパミン不足
沈んだ雰囲気、前屈、ひざが曲がった状態で小刻み歩行
意識障害あり=眠い(昼間)
大脳皮質にレビー小体 蓄積(脳幹部に蓄積するのがパーキンソン病)
後頭葉の血流低下=視覚野が障害され、幻視、幻覚
必ず振戦と歯車様固縮(ひじ関節がカクカク動く)を確認
前頭葉=ピック病
理性を司る前頭葉の脱抑制により酔っ払ったような状態になる
易怒性、立ち去りあり
側頭葉=意味性認知症
言葉が出てこない(アルツハイマーと誤診されていることもある)
語義失語(聞かれている言葉の意味が分からない)
進行が速い
普通の人に見えるがピック化したらだんだん怒りっぽくなる
④脳血管性認知症
感情失禁(泣き笑いのような状態)
血流低下により前頭葉機能が低下→意欲、自発性が低下する
【認知症の治療】
患者が陽性?陰性?によって治療が異なる(エネルギーの強さを見る)
→脳内のエネルギーはどのような状態になっている?
→タイプ確定の検査より症状に合わせた処方も必要。
どこを改善させたいか、どうなってもらいたいかという家族のニーズに応える
◆中核症状改善薬
興奮性あるため、エネルギーの強い人に処方すると易怒性が増す場合がある
レビー型では数か月で歩けなくなることがある。副作用が出たら中止する。
向いている人:怒りっぽくないアルツハイマー型
レミニール
効果はマイルド
脳内のドーパミン、アドレナリン、セロトニン、GABAを増加させる
嘔気が出やすいので1か月はナウゼリンを併用する
★胃全摘をしている人は嘔気が増すので向いていない
向いている人:長期に服用する人(比較的若い患者)
失語症状がある人(失語改善効果あり)
リバスタッチパッチ
貼付剤でアリセプトより効果がマイルド
脳内のアセチルコリンを増加させる
皮膚が弱い人は注意。保湿でかぶれ予防をする。
効果も副作用も2週間以内に出やすい
向いている人:レビー小体型認知症
覚醒効果、歩行改善効果あり
メマリー
NMDA受容体阻害により細胞保護効果あり
陽性症状、陰性症状どちらにも効果がある(少々使いにくい)
めまいが起きることがある
★中核薬は「効いたらやめる」=至適用量を超えると悪化することもある
増やすメリットがなければ少量で維持する
1か月単位くらいで総合的に効果判定する
★低用量が向いている人
レビー小体型認知症(薬剤過敏性あり)
85歳以上の高齢者
体格が小柄
経口摂取がままならない
体力が落ちている
◆抑制系薬(周辺症状改善薬)
家庭天秤法:家族、介護者が患者の様子を見ながら抑制系薬の増減を行う
→適量が分かるのは日ごろの様子を見ている家族、介護者である
興奮があるから、と抑制薬を増やすと傾眠、流涎、寝たきり、床ずれとなる
高齢者は肝腎機能低下があるため、蓄積して作用増強する可能性がある
タイプ別治療方針
妄想、易怒性なし→アリセプト
易怒や妄想があり→グラマリール
レビー小体型
薬剤過敏性があるため、少量で様子を見る
(風邪薬も効きすぎる可能性があるので抗ヒスタミン剤を含まないものを)
すべての症状を完全にコントロールをするのは難しい(60~70%を目指す)
意識障害がある場合覚醒させる必要がある
(眠いと誤嚥、歩行障害の原因となり危険である)
中核症状=リバスタッチパッチorレミニール
幻視=抑肝散、プレタール
陰性症状=サアミオン
歩行障害=メネシット
ピック病
脳の中の嵐と言われている
抑制薬を上手に利用する
脳血管型認知症
抗血小板薬の内服(プレタール、プラビックス)
陽性症状=グラマリール
認知症治療に際しては、家族はよくしたい!と頑張るが、本人はしんどくなっている場合もある。
認知症を”病気”としてとらえるのではなく、”老化”の一部として考えれば穏やかに暮らせる。
認知症になりたくない!…という想いはなぜ現れるのか…認知症になっても幸せに暮らせる世の中を作ることが大切である。
なるほど…が溢れている研修でした。
家族が認知症になったとして、どんなお医者さんに診てもらいたいのか。
私だったら、日ごろの症状をよく聞いてくれて、薬が合わないという訴えに真剣に向き合ってくれる…そんな先生がいいなあ~なんて思いました( *´艸`)
もしかしたら…妊娠しているかも…「風邪」の巻
まだよく分からないんですけど…もしかしたら妊娠しているかもしれません。
でも先生には言い忘れました…
若い女性から発せられる可能性の高いこの言葉…ドキッとします。
これからのシーズンに多い風邪症状での受診の際にこんな言葉を聞いたらどう対応するか…ということを考えながらまとめてみました。
(「妊娠・授乳と薬」 愛知県薬剤師会 妊婦・授乳婦医薬品適正使用推進研究班 発行 より)
◆かぜ、インフルエンザ予防
・水でのうがいをすすめる
ヨードは胎盤を容易に通過して胎児が甲状腺中毒になることがあるため、ヨードうがい液の連用は避けたほうが良い
・手洗い、マスクの着用をすすめる
呼吸器系ウイルス感染の拡大防止に役立つ
・インフルエンザ予防はワクチン(不活化ワクチン)接種を行う
◆妊娠中の女性に比較的利用されている薬物(かぜ、インフルエンザ)
・アセトアミノフェン(解熱鎮痛剤)
胎盤を通過するが通常量の短期使用であれば安全
(長期大量投与では母体の肝腎障害、胎児の腎障害の報告がある)
・デキストロメトルファン(咳止め)
歴史の長い薬であり、頓服的な使用においては問題ない
・クロルフェニラミン(抗ヒスタミン薬)
歴史が長く、多くの産婦人科医が使用しているが漫然使用は避けること
・クロモグリク酸ナトリウム(抗アレルギー剤)
吸入薬として使用(アレルギー性の咳が続く場合など)
・サルブタモール(気管支拡張薬)
吸入での催奇形性は報告されていない
・吸入ステロイド
喘息患者では喘息発作を起こさないよう吸入ステロイドでコントロールする
・ロペラミド(下痢止め)
ヒトの催奇形性の報告はない
かぜ症候群では本来抗菌剤は不要
気管支炎や肺炎が重症化しそうな場合は感受性を確認しながら利用する
・ザナミビル(抗インフルエンザ薬)
吸入のため使用可能
まずは、予防が第一!!!
そして…もし薬が使うということになったら、必要に応じてうまく使うことも大切です。
心配なことがあったら一人で悩まずに…優しい薬剤師に相談してください( *´艸`)
整腸剤って何が違うの???
整腸剤…と名の付く薬はいろいろあるけれど…どんな違いがあるの?
と尋ねられたので調べてみました~( ..)φメモメモ 〈WEB医事新報より〉
【整腸剤の役割】
(1)菌体成分による宿主免疫応答の修飾
(2)菌体または産生される酵素による腸管内の物質代謝や栄養素の補完および吸収改善
(3)産生されるバクテリオシンや有機酸による腸管感染症の予防および治療効果
(4)免疫応答および短鎖脂肪酸の産生による腸管内の炎症や潰瘍の抑制作用
(5)発がん関連酵素の活性低下による大腸癌の予防または治療効果
(6)消化管感染症や抗菌薬関連下痢症(Clostridium difficile腸炎)の予防および治療,炎症性腸疾患の寛解導入および維持,過敏性腸症候群の緩和など
最近では、腸内フローラ~おなかの中の花畑~と言われ、腸内環境の改善は体調管理にとても重要な働きがあると言われています!
【腸内細菌の種類】
●ビフィズス菌…偏性嫌気性菌
小腸下部から大腸にかけて増殖
乳酸および酢酸を産生
有害菌増殖抑制作用,腸管運動促進作用
●乳酸菌(ラクトミン)…通性嫌気性菌
小腸から大腸にかけて増殖
乳酸を産生
増殖性、乳酸生成能が高い
有害菌の発育を阻止し,腸の粘膜保護作用あり
●酪酸菌(宮入菌)…偏性嫌気性菌
芽胞を形成
酪酸の産生能が高く,大腸で増殖する
★酪酸菌製剤は,芽胞を形成するため,人為的な耐性を付与せずとも抗菌薬の影響を
受けがたく,小児における抗菌薬関連下痢症に対して有効であったとの報告がある。
●糖化菌…偏性好気性菌
芽胞を形成
小腸上部より増殖を始め,乳酸菌の増殖促進作用あり
糖化菌と乳酸菌の流動混合培養では、乳酸菌の単独培養に比べ,菌数は12.5倍に増加する。
乳酸菌と酪酸菌の流動混合培養では,酪酸菌の単独培養に比べ,菌数は11.7倍に増加する。
→共生作用が確認されている。
つまり、より効果を上げたいのであれば、理論上、合剤を使うとよい!ということですね!!
合剤:ビオスリー配合散、ビオスリー配合錠、ビオフェルミン配合散
ちなみに…整腸剤の使い分けについては明確な答えはないようで…個々で自分の腸内環境に合った整腸剤を探してみるのもいい…と言われる先生もおられます。
いろいろ使ってみて、これがいい!というのを見つけた患者さんもおられました。
個人的には…同じ名前なのに…
ビオフェルミン錠(ビフィズス菌)とビオフェルミン配合散(ラクトミン+糖化菌)は生菌の種類が違う!!と知った時の衝撃が忘れられません(笑)
文献6) DRUGS IN JAPAN日本医薬品集フォーラム:日本医薬品集医療薬. じほう, 2014.
下の血圧が高いんです。。。
最近、投薬時にこの言葉をよく耳にします。そう…比較的若い患者さんから…
たしかに、収縮期血圧は130切るくらいなのに拡張期血圧が90を超えていたり。
そもそも血圧ってどのように決まるのか…そこから総復習してみたいと思います!!
◆血圧の定義
・血液が血管壁に与える血管内圧のことであり、一般的には動脈の内圧を指す
・心臓から拍出される血液の総量(心拍出量)と血管内での血液の流れにくさ(末梢血管抵抗)を用いて表すことが出来る
血圧=心拍出量(心拍数×1回拍出量)× 末梢血管抵抗
・収縮期血圧…動脈血圧の最高値。心室が勢いよく収縮した状態の血圧。
・拡張期血圧…動脈内圧の最低値。心臓が拡張している状態の血圧。
収縮期に押し出された血液が大動脈に貯まり、心臓の拡張期に進展した大動脈の
血管壁の反発力で末梢の血管に血液を送り出した時の血圧。
◆拡張期血圧が上昇しているのはどんな状態??
心臓に一番負荷がかかっていなくて、かつ血管にかかっている圧力が一番低い時の血圧が上昇している状態。
まだ、太い血管は比較的弾力があるが、末梢の細い血管が硬い状態と思われる。
つまり、比較的太い血管は十分に進展しているが末梢の抵抗が高い状態。
高血圧の初期段階と考えられる。
原因は…肥満、メタボ、運動不足、大量の飲酒、喫煙、ストレス
収縮期血圧は年齢と共に上昇するが、拡張期血圧は比較的若い世代から上昇する。
60歳ごろから拡張期血圧は低下しはじめ、70~80歳になるに従いさらに低下する。
この頃には収縮期血圧が上昇し、脈圧(最高血圧と最低血圧の差)は大きくなる。
そう…動脈硬化が進んで太い血管が硬くなってしまう…
拡張期血圧が上がっている、というのは高血圧の危険信号!!!
早めに、体重を落としたり、運動をしたり、ストレス発散をしたりなどの対応をして
ホンモノの高血圧にならないよう生活改善することがなによりですね~♪
「拡張期血圧だけを下げる薬はないですか?」と尋ねられたら…
「うーーん…なかなか難しいんですよね。でも今ならまだ間に合うので…薬よりも生活改善に取り組んでみましょうね!!」
と声かけする私です( *´艸`)
胸に水が溜まってる!!
肺炎で入院してて退院した患者さんが、まだ、胸に水が溜まってるって言われた…とショックを受け…まあ、無理せずやります〜と言われて去っていき(^^;
先日、抗がん剤の勉強でも出てきた胸水…
それはどんなものなのか…まとめてみた!!
胸水=胸膜液
・正常 1〜20ml
・呼吸運動による胸膜の摩擦を緩和する潤滑液
・壁側胸膜の毛細血管から間質液が浸み出す
・壁側胸膜のリンパ管に吸収される
胸水貯留に影響を与えるもの
・毛細血管透過性
・静水圧
・膠質浸透圧
→賛成と吸収のバランスが崩れると胸水が過剰に貯留する
◆滲出性胸水
毛細管の透過性が上昇することによる
血中から水分、蛋白、細胞が胸膜腔に漏れ出す
原因…肺炎、胸膜炎
淡黄色、黄褐色、混濁など様々
◆漏出性胸水
静水圧上昇、膠質浸透圧低下による
血中から主に水分が胸膜腔は漏れ出す
原因…うっ血性心不全(静水圧上昇)
肝硬変、ネフローゼ
(膠質浸透圧低下)
淡黄色、透明
・疾患により、胸膜が分からの漏水産生。
・リンパ管の閉塞などで胸水の吸収ができなくなる。
などが原因となることもある。
うーーーん
胸に水が溜まっていると言ってもいろいろな原因がある!
しっかり話を聞いて、患者さんのカラダに何が起こっているのか少しでも理解できるようになりたいな!
胃全摘をして逆流性食道炎に…PPIって効果あるの?
胃の全摘をした患者さんが逆流性食道炎に!!
治療薬として処方されているのが…カモスタットメシル(蛋白分解酵素阻害剤)とPPI(胃酸分泌抑制剤)
ん??胃酸???全摘しているから出ていないよね。。。ということで調べてみることに。
胃全摘後、噴門機能が低下すると胆汁と膵液が食道に逆流し炎症を起こす。
つまり、胃全摘後に炎症を起こすのはアルカリ性の膵液が原因となっている。
そのため、カモスタットメシルが効果を示す、と思われるが、それでも症状が継続した場合はPPIが処方されて改善されたとの症例報告がある。
ラットを用いた研究で、PPIには膵液および胆汁の分泌抑制作用があるとの報告がある。
また、ヒト血漿において、PPIは胆汁分泌を抑制するソマトスタチンの分泌を亢進するとの報告もある。
詳細な機序は不明だが、ソマトスタチンは胆汁分泌を促す消化管ホルモンであるセクレチンの分泌抑制にも関与しているといわれており、これらの働きにより効果を示す考えられる。(日経DIクイズより)
なるほど…人の体とは不思議なもの…薬効も一概には示せないこともあるようです。