高齢者の便秘を考える〜d( ̄  ̄)
高齢の方から…便秘なんです…の訴えはあっても症状はいろいろ。
よーく患者さんの話を聞いて対応することが大切です!
排便回数の減少…基本的には排便が週3回未満。
排便困難症…便が硬い。非常に力まないと出ない。残便感がある。
結腸通過時間遅延型便秘では週1回、2週に1回ということもある。
60歳以上になると急速に男性の便秘が増加
80歳以上では男女均等になり、総数が増える
高齢者の便秘は「老化そのもの」
水分摂取低下により便が硬くなり排便困難になる。
食事量の減少により糞便量が減少する。
腹筋、骨盤の筋肉、恥骨直腸筋の衰え
(サルコペニア)
便意感じる感覚の低下
大腸の動きの低下
他に原因として…
薬物有害事象(抗コリン剤による便秘など)
大腸通過遅延を来しある全身性疾患
食事内容の変化
咀嚼能低下、義歯不具合により食物繊維を含む食材を避けるようになる。
生活環境の変化…独居による食事内容の変化
認知機能低下…便意を認識できない
治療的介入としては…
①便秘の原因薬剤をできる限り中止する
身体活動を促進する
デイサービスへの参加
毎日朝食後にトイレに座らせる
②浸透圧性緩下剤
酸化マグネシウム…腎機能低下、併用薬注意
ラクツロース
ラグノスNFゼリー慢性便秘症に適応あり
アミティーザ、リンゼス、グーフィスなど
③刺激性下剤
センナ系は依存性、習慣性があるので注意
●ラグノスNFゼリー(成分:ラクツロース)
【作用機序】
ラクツロースは、小腸で分解・吸収されることなく大腸に達し、ラクツロース未変化体の浸透圧作用 により腸内への水の移動を促進する。また、ラクツロース未変化体は、腸内細菌によって分解され、 乳酸などの有機酸を産生し、浸透圧を高めるとともに、腸管の蠕動運動を促進し、浸透圧性下剤とし ての作用を示す。さらに、産生された有機酸により pH が低下し、ビフィズス菌、乳酸菌の増加及び 腸内環境の改善が認められ、アンモニア産生菌の発育を抑制し、アンモニアの吸収を抑制すること により、血中アンモニア濃度の低下作用を示す。
(メーカー資料より)
★便秘の症状をしっかりと確認すること
★薬剤の有害作用、併存疾患、生活環境、認知機能低下など複合的に関与すること
★便秘は尿閉、せん妄、食欲不振を引き起こす可能性があること
★便失禁…宿便に伴う溢流性のこともあるので注意すること
高齢者では日々の生活の快適さが重要度を増すのでQOLの改善を目指して排便コントロールを行う重要性を感じる日々です(^^;