高齢者とのコミュニケーションを考える(^^)/
当薬局は高齢の方の来局が多いなあ…
高齢期には日常生活の自立を目指した身体機能の強化・維持が重要とされ、生活上のアドバイスを適切に行うことは薬剤師の役割でもあります。
そして、薬局では単に薬の説明だけでなく、生活上の課題を見つける能力が必要となります。
手元にあった『T-CARE NCD for Pharmacist 2017.7』に高齢の生活習慣病患者さんとのコミュニケーションの特集が組まれていたのでまとめてみました!
【薬局窓口にくる高齢者への”生活振り返り”アクションチャート】
①その患者さんお病気と治療薬について知る
薬のプロフェッショナルとして、自信と責任をもって話す
患者さんの病気、病態、処方薬を把握して正しくわかりやすく説明しよう!
(薬剤師にとっての基本のキ…ですね!)
日々勉強し、たくさんの人とふれあい、知識と経験を積み重ねてよう!
例)患者さん自身にお話ししてもらうような聞き方をする
病気や治療についての不安や心配事を話しやすい雰囲気を作る
②その患者さんお身体的状態を知る
よく観察し、時には体調や状態把握のために触れてみる
患者さんの言葉に耳を傾け、様子をよく観察し、必要があれば了承を得た上で
実際に体に触れてみる
(お薬をもらいに来ている病気以外の不調や問題を見逃さないように!)
例)臭い…口臭、便臭、体臭→口腔内環境などを推測する
皮膚の乾燥、目やになどにより消耗性疾患の存在を見逃さないようにする
聞こえにくいのか、理解が困難なのか確認する
患者さんにさりげなく手を貸すことで痩せ具合や寒くないのに厚着をする
などの認知機能の低下に気づくことが出来る
③その患者さんの(かつての)職業を知る
その方の人生観や価値観に寄り添う
高齢者を一律に見ず、一人ひとりに「それぞれの人生」があることを忘れずに!
人生観や価値観は病気や治療への向き合い方に大きく影響する
★コミュニケーションの入口は互いの共通する話題から…が基本。
就職、結婚、子育て、旅行、趣味、スポーツ、ボランティアなど
例)経営者、管理者…上から目線にならないように。根拠を示しながら論理的に説明するほうが納得を得やすい。
職人…生活リズムが通常の生活リズムと違うことが多い(食事時間など)
教育者…学習意欲がある方が多い。認知機能低下があっても現役時代のように声かけすると背を伸ばし返事をしてくださることも。
医療関係者…クスリや健康に関して意識が高く、しっかりとした説明が求められる
生産者…重労働や不安定な死背の仕事で股関節、膝への負担を抱えている場合がある。筋力低下予防のためのたんぱく摂取、負担の少ない体の動かし方などの情報提供を行う
専業主婦…それぞれの生活スタイルを聞き出す。地域とのつながりが強い方からは地域の状況について教えていただける場合あり)
④その患者さんの今の家族・環境を知る
ご本人だけで終わらせない
誰とどのような生活をしている?キーパーソンは誰?一緒に薬局に来られた方にも声をかけよう!
ご家族やサポート者の体や心の負担についても意識して、労いの声かけをしよう!
例)独居?老々介護?大家族?日中は一人きり?…「ご飯を食べるときは誰と一緒ですか?」
日常的に相談したり、様子を見てくれる人がいる?…「買い物に行くときは誰と行きますか?」
介護サービスなどの利用は?…「自宅にヘルパーさんが来たりしますか?」
⑤その患者さんの日常生活を知る
毎日を生き生きと過ごせているか
ADL。QOLを保つため、フレイル予防や進行抑制が重要
例)「食事はおいしく食べていますか?」の確認
趣味の有無、継続しているかの確認
運動に見合った栄養素や水分がとれているかのチェック
社会との関わりを持っているか(地域とのつながりや生活、考え方を知る)
薬剤師は昔から薬を通じて生活に密着した相談に乗っていた歴史があります。
医療支援に加えて生活支援が可能な立場…患者さんの生活における様々な問題を医療支援の情報と生活支援の情報をもとに他職種との連携に有効につなげていくこともできます。
つまり…生活と医療の橋渡し役!!でもあります。
患者さんは自宅に帰れば一人の「生活者」…生活の中でどう病気と向き合い、どう治療と向き合っていくのか。
様々な不安を減らして薬を飲み続けたり、健康管理をしていただくために生活支援を行うこと…それこそ『薬剤師の役割』ではないでしょうか。。。
そして”患者さん全体”に関心をもって対応したい。
薬剤師こそが「生活支援を行うことができる医療者」であるという自覚をもって頑張りたいです( *´艸`)