学びのまとめ〜備忘録(*^◯^*)〜

一期一会〜今日の出逢いを大切に♫日々学んだこと=インプットしたことはアウトプットしないと記憶に残らないとのことで…本や研修会、調べものからインプットしたことをアウトプットする場にしたいと思います(o^^o)

妊婦・授乳婦からの質問に答えよう!!!

最近、妊婦さんや授乳婦さんに出会うことが多いように思います!

少子化が訴えられているご時世としては嬉しいことですね(*^^*)

そういう場合に一番気になっているのは…やはり薬との関係…

ちょうど手元にやってきていた『クレデンシャル』で特集が組まれていたのでまとめてみました♫

 

◆妊婦・授乳婦の薬の基礎知識

【妊娠期の母体の変化】

妊娠10週まで…胎児のほとんどの臓器が形成される。ちょうど悪阻の頃。

母体の代謝の変化

 ・妊娠中は血症浸透圧が低下傾向になる。

 ・妊娠後期には非妊娠期と比べて薬6.5Lもの水分貯留が起こる。

 ・正常妊娠では、空腹時の軽度低血糖、食後の高脂血症、高インスリン血症が特徴。インスリン抵抗性も増大する。

 ・循環血液量の増加により、肝血流量、腎血流量ともに増加する。

【妊娠期の薬剤が胎児に与える影響】

 ・ほとんどの薬剤は胎盤を通過する

   胎盤通過に影響を与える因子

    たんぱく結合率、分子量、イオン化の程度、脂溶性の程度

 ・催奇形性…胎児の臓器が作られる妊娠初期

   妊娠初期は薬剤の影響を最も受けやすく服薬に注意が必要(臓器のよって影響には差がある)

    例)メトトレキサート、プロスタグランディン製剤

 ・胎児毒性…妊娠中期、後期

   胎児の機能的異常や発育の抑制、子宮内の環境悪化、分娩直前の薬物におる新生児薬物離脱症候群、出産後の発育、発達に悪影響を与える

    例)NSAIDs、ACE阻害剤、ARB

【薬剤が乳児に与える影響】

 ・薬剤の乳汁中移行に影響を与える因子

   薬剤の分子量、たんぱく結合率、脂溶性、イオン化

    分子量が大きく、たんぱく結合率が高いほど乳汁への移行量が少なくなる

    脂溶性が高い薬剤は細胞膜を通過しやすいため母乳へ移行しやすい

 ・RID:乳児の薬剤摂取量(体重あたり)が母体への薬剤投与量(体重あたり)の何%に相当するかを示したもの

  例)RID 10%=体重あたりの母親の治療量の10%を乳児が摂取する

   →通常、RID 10%以下であれば安全と言われている

 ★母乳中の薬剤が乳児に与える影響は薬物動態だけではなく、児の月齢、母乳の割合によっても異なる。

  母乳育児には母子ともに多くのメリットがあるため、安易に授乳を中止するのではなく、希望に応して出来るだけ母乳育児が続けられるようにサポートすることが大切。

 

◆妊婦、授乳婦の質問にこたえる

【妊娠期の質問】

①妊娠中にインフルエンザの治療はできますか?

  妊婦がインフルエンザに罹患すると重症化しやすい

  使用可能な抗インフルエンザ薬(A型、B型とも):リレンザ、イナビル、タミフル

  発症後36~48時間以内の使用が望ましい

 

②腰痛で使用するシップは胎児に影響しますか?

  外用薬が経皮吸収されて胎盤に移行する量はごくわずか

  NSAIDs貼付剤は漫然と使用しない

  (ケトプロフェンは血中濃度が上昇しやすいため、妊娠後期に胎児動脈管収縮の報告があり「妊娠後期の女性には使用しないこと」となっている。

 

アトピー性皮膚炎でステロイド外用剤を使用しているが妊娠中でも問題ないですか?

  一般的な臨床使用量、使用法であれば胎児への影響はない

  自己判断で中止すると症状を悪化っせることがあるので注意

 

④便秘がひどく、妊娠に気づかずセンノシドを飲んだのですが大丈夫ですか?

  妊娠中のセンナ、センノシドの使用で、ヒトの流産を含め明らかな有害事象の報告はない。(動物実験では子宮収縮の報告がある)

  プロゲステロンの変化や子宮増大による圧迫で大腸の動きが緩慢となることが原因の機能性便秘が起こりやすい。

  薬物療法の第一選択は塩類下剤(酸化マグネシウム)それでも効果がみられない場合は、大腸刺激下剤(ピコスルファートナトリウム、ビサコジル)を使用する。

 

⑤花粉症で点眼、点鼻薬が処方されたのですが胎児への影響はないですか?

  点眼、点鼻薬の全身への移行量はごくわずかである

  内服薬でも、抗ヒスタミン薬、ロラタジン、セチリジンは妊娠中の使用データが蓄積されてきている

 

⑥妊娠中の胸部エックス線検査の胎児への影響はありますか。

  健康診断の胸部エックス線検査やシカのエックス線検査の被ばく量はごくわずか。

  一般的な診断用の放射線検査で胎児に影響を与える被爆量になることは通常はない

  (全期間を通じて100mGy未満であれば影響はないとされている)

 

【授乳中の質問】

①風邪をひきました。市販の風邪薬を飲んでもいいですか?

  リン酸コデインは、乳幼児でモルヒネ中毒が生じたとの報告があるため注意が必要

  アセトアミノフェンイブプロフェンは乳汁中への移行量が少ない

  一般用医薬品の風邪薬の構成成分や比率は製品ごとに異なるため個別に確認が必要

 

②授乳中でも飲める花粉症治療薬を教えてください。

  点鼻、点眼薬は母親の血中に移行する量が非常に少なく、乳汁中に移行する量も少ない

  内服薬でも、トラベルミン、デザレックス、アレグラ、クラリチンは乳汁中への移行が少ないとの報告がある

 

③虫歯の治療で抗生剤が処方されました。

  抗菌薬を使用する際は乳幼児の治療にも使用されるペニシリン系、セフェム系が安全に使用できる

 

どの質問も薬局窓口で対応することがありそう。。。

妊婦、授乳婦に安心して薬を使ってもらい健康を取り戻してもらえるようにしっかりと相談に乗ることが出来るようになりたいと思います!


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