漢方を学ぼう!活用しよう!~漢方調剤フォーラム まとめ~
漢方薬が保険収載され、医学部教育の中でもカリキュラムとして導入されてきている今日この頃…
薬物治療の専門家として「漢方薬」を理解できていないというのは片手落ち!!と漢方の勉強を始めたのは…6年前!!
地元の漢方研究会に通い、日常業務の中で処方される漢方処方と患者さんの言葉から多くの学びを得ることが出来ています。
なにより…私はもともと漢方の考え方が大好き~ってことで楽しくて仕方ない~♪♪
ということで…今回はいつもご教授頂いている先生が基本から話をしてくださる研修会に参加して漢方薬について再確認してきました(*^^*)
西洋医学(蘭方)
・数値を正常値や基準値に戻す⁺悪いところを取り除く
→薬や手術などで体の動きの肩代わりをする
測定できない現象を把握することが難しい
東洋医学(漢方)
・自然治癒力を引き出し、健康維持や病気を改善⁺バランスの崩れを戻す
→病気は患者自身が治すもの
西洋医学のマイナス面を補う
◆西洋薬と漢方薬の違い
西洋薬
・1種類の化合物である程度の量がないと薬剤にならない
・薬が作用して〇〇の値を正常化する
・いつでも薬
→成分の作用を理解する=化学式
・数十種類以上の化合物の集合体
・個々の量は少なく、体のシステム(治癒力)を正常化する
・病態と呼応した時だけ薬(体のバランスが崩れたときにバランスを戻す働き)
→生薬の作用を理解=五味・五性
★そう!漢方薬は様々な検査ができない時代に患者さんの訴えをしっかりと聞いて、その訴えからカラダのどういったバランスが崩れているかを見極めて処方されていた!
そもそも西洋医学とは考えが異なる…なるほどです!
★漢方処方を構成する生薬の働き(温める?冷やす?持ち上げる?下げる?など)を理解して、目の前の患者さんのどこのバランスが崩れて調子が悪いのか、その症状を改善するためにこの漢方薬がどのような働きをするのかを伝えていきたいと思います!
◆漢方の服用方法
空腹時服用の理由
・生薬の有効成分である配糖体が大腸の腸内細菌によって加水分解されて吸収されるため、空腹時投与によって速やかに成分を大腸に運んで吸収を早めることが出来る。
・作用が穏やかなので胃の負担が少ない
・空腹時の方が胃の中が酸性なので、副作用に注意が必要なアルカロイド(麻黄、附子など)の吸収が穏やかになる
→しかし、食前、食間という根拠は不明なのであまり神経質になる必要はない。
★同時に服用する西洋薬があれば相互作用のこともあり30分くらいは服用間隔をあけたほうがいいかもしれないが、相互作用、副作用など問題なければまず1日量をしっかり飲む、1日3回飲む!というコンプライアンスを優先することが大切。
★患者さんが漢方薬についてどのようなイメージを持っているか…それによって薬剤師が行う服薬指導も変わってくる。患者さんの想いを理解しつつ、治療効果を上げることのできるアドバイスが出来るようになりたいもの!!
漢方が処方されたことに期待が持てるようにサポートしていこう!!
◆小児に漢方薬を飲ませる工夫
・熱いお湯にエキス剤を溶いて、冷ましてからストローで飲む。
→ストローで飲むことで口の中に味が広がらない。
・慢性疾患で服用継続するためには母親の熱意も必要!
→長期で服用する意味を子どもに説明する、食生活の改善など親のアドバイスを子どもが聞くように話をすることで治療効果も上がる。
◆高齢者の服用方法
・口内乾燥、入れ歯に挟はさまる、のどにつっかえる→注意が必要!
→子どもと同じようにお湯に溶かしてストローで飲む。
1日分を一度のお湯で溶かして分けて服用する
(溶かして1日のうちに飲み切れば問題なし。)
◆漢方薬の注意点
・高齢者は乾燥気味なので「乾かす」漢方の長期処方は注意
・補剤は不足しているものを補っていくので症状改善するためには時間がかかる
→いつまで飲んだらにどうなるのか、という目標を患者さんに説明することが必要。それにより、患者さんの服用に対する期待感も変わるかもしれない。
・麻黄湯
発汗させて解熱する漢方。そのため体力がない人には使えない。
子どもは早めに受診することもあり、インフルエンザでも使用可能だが高齢者は体力が低下していることもあるので注意。
水分はしっかり摂って発汗による脱水注意。
漢方の世界はほんとに奥が深くて…養生につながる部分も多いので、漢方を学ぶことで生活全般を見直せるようなアドバイスが出来るようになると実感!!
五味・五性を理解するだけでもほんとに理解が深まります♪
そして…何より…自分や家族のためにも使える知識でもあります!
いろいろなエビデンスも出てきており…古くて新しい漢方をこれからも楽しもう( *´艸`)