糖尿病の恐怖!足病変に注意~プライマリケア学会誌より~
在宅療養をされている高齢患者さんの足の傷が治らない!
長らく糖尿に罹患している方です。。。という報告を受けた日に目にした学会誌に載っていた投稿を見つけて…これは!と読み始めた内容をまとめてみました。
・糖尿病性足病変とは…
下肢に生じた糖尿病患者にみとめる糖尿病性皮膚障害のうち、慢性ないし進行性の潰瘍形成あるいは壊死性の病変で、その基礎に糖尿病性神経障害、末梢動脈疾患あるいはその両者が存在するもの。
糖尿病性足潰瘍と糖尿病性足壊疽をあわせたもの
・糖尿病足病変を診療するうえで総合的にマネージメントすること
①末梢神経障害
②血行障害
③感染
・糖尿病性足病変は活動量の多い男性に多い
・喫煙、糖尿病性網膜症、糖尿病歴の長さがリスクとなる
・知覚障害が重度になると患者が創部に気づかないことがある→毎日足のセルフチェックが必要
・重症度はWagner分類とテキサス大学分類で評価することが多い
■糖尿病による足病変の重症度分類 ・Wagner分類
Grade |
|
0 |
潰瘍なし |
1 |
皮膚のみの潰瘍 |
2 |
靭帯/筋まで及ぶ潰瘍で、膿瘍形成と骨病変なし |
3 |
蜂窩織炎か膿瘍形成を伴う(骨髄炎伴いうる) |
4 |
限局性の壊疽 |
5 |
足全体を巻き込む壊疽 |
・ABI(AnkleBrachialIndex)が0.9未満であればインターベーションを検討する
・末梢血管障害への介入は、スタチンと抗血小板薬の投与、運動療法、再灌流療法を考慮する
・足病変の皮膚ケアや患者教育も重症化を予防するために実施する
・感染源のコントロールがつかない場合には、下肢切断も選択肢として考慮する
糖尿病に罹患することで血行障害が起こり、感染も治りにくくなる。。。
血糖コントロールが悪い状態が続いてもすぐには自覚症状が現れないのでなかなか治療に前向きに取り組んでくれない患者さんも数多くおられますが…
何年も経ってからこんな辛い思いをしないでいいように…
早くからしっかりと声かけをしていきたいと思います。