肺炎球菌ワクチンを知ろう!!!
薬剤師会の雑誌を読んでいたら、肺炎球菌ワクチンについての記事が…
高齢者に対しては肺炎予防のために行政からも定期接種の呼びかけがあります。
そもそも肺炎球菌ワクチンってどんなものでどんな人に使われるの???
ちょっとまとめてみました!
◆肺炎球菌って何?
日本人の死因第三位を占める肺炎の原因菌として最も多い細菌。
中耳炎や副鼻腔炎の原因となることもあり、のどや鼻に無症状で定着していることもある。
免疫力の低下などがきっかけとなり、肺炎や髄膜炎などの感染症を起こす。
◆肺炎球菌ワクチンにはどんなものがある?
ニューモバックスNP(多糖体ワクチン)
23種類の肺炎球菌の血清型抗原を含む
カバーできる範囲が広いが効果が減弱するので5年ごとの接種が必要
(接種感覚が短いとアナフィラキシーショックが起こる可能性があるので注意!!)
プレベナー13(結合型ワクチン)
13種類の肺炎球菌血清型抗原を含む
免疫誘導能力が高いので再投与の必要がない
★ニューモバックスNPには予防接種(自由診療)以外に保険適応がある。
〈脾臓の働き〉
老化した赤血球の破壊
血小板を蓄える(全血小板の約1/3を貯蔵)
免疫機能を司る(全身のリンパ球の約1/4が集結。体内で最大のリンパ器官)
→脾臓を摘出しても生きることはできるが、感染症にかかりやすくなるため、ワクチン接種により感染予防をすることが大切になる。
生まれつき脾臓がなかったり、事故などで後天的に脾臓が亡くなっていたり、胃全摘をする際に一緒に脾臓摘出をしている患者さんもいる。
高齢者に限らず、必要な患者さんには、肺炎球菌ワクチンの接種歴の確認が必要。特に、脾臓摘出をしている場合は65歳になって市からハガキが来るまでは5年ごとに接種を行い(保険診療)、65歳からも自分の接種歴に従って5年ごとの接種継続を説明する必要がある。
◆肺炎球菌ワクチンの副反応は大丈夫?
接種部位の痛み、赤み、腫れ、筋肉痛、だるさ、発熱、頭痛などが出ることがあります。
過去に予防接種で強い副反応が出たことがある、肺炎球菌ワクチン接種歴がある場合は接種前に医師に伝えること。
高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンの定期接種では、ニューモバックスNPが使用されます。
高齢者の肺炎予防でのワクチン接種については以前からよく話題に上がっていましたが、今回「脾臓摘出した方に対する保険適応」というのを初めて知りました。
薬局で対応している方の中にも脾臓摘出をした、と話される方がおられます。
これからはしっかりと肺炎球菌ワクチン予防接種をしているのか、ということを確認していきたいと思います(*^^*)
必要な方たちに予防接種を徹底することで、属する集団の中に肺炎球菌感染がみられなくなり、リスクの高い患者さんが感染する機会が激減するというメリットもあります!!