かぜひいた⁉~漢方で対応してみよう!
かぜ…と一言でいっても、どんな症状がある?発症してからどのくらい経っている?ということで対応は千差万別!!
やはり、しっかりと患者さんを診て聴いて対応することが大切だと思います。
中国2千年の歴史の中で生き残ってきた漢方処方の特徴を知って風邪の症状を改善することが出来れば…基本に立ち返りながら新しいことを学んだのでまとめてみました。
(プライマリケア認定薬剤師 eラーニング より)
かぜの患者さんはプライマリケアでよく出会う…「風邪(ふうじゃ)」と呼ばれることもあるごく一般的な症状に対して使われる漢方を使うことで、患者さん自身の力で治す手伝いもできます。
漢方薬を使う場合は、経験と臨床推論を行う力が必要。問診と身体診察は必須です。
もしかしたら臨床推論というのは東洋医学の方が先に行っていたのかもしれません。
(漢方研究会に参加した時もいつもそう思っていました)
患者にどのような症状があるのか→症状をカテゴライズする(仕分ける)
それはどの漢方処方にあてはまるのか→漢方処方の特徴を理解する
まずはそこからスタート!
風邪(ふうじゃ)は体表から侵入して、表→裏と進んでいく進行していきます。
その時々で症状は異なり、そこに用いられる漢方処方も変わってきます。
各漢方薬の特徴は以前も学んでいたので、今回は「時間軸で漢方処方を考える」という部分について。
【太陽病】体を温めて抗病力を強める
(体表で病じゃと戦っている。頸部にかけての寒気あり。汗と共に体表の病邪を外に出す)
【少陽病】消化機能を高めて、免疫力を強める
(半表半裏で病邪との戦いが起きている。寒じゃが熱を帯びてくる。往来発熱。胸脇苦満。出しやすい経路で邪を排泄させる)
【陽明病】症状が強くなる、清熱剤や瀉下剤を使う
(裏で病邪とのたたきが起きている。激しい熱が発生。腹部に圧痛、膨満、緊張を認める。下痢させて熱を下げるという考え方がある)
白虎湯、白虎加人参湯(人参が含まれるので少し温めてしまう)承気湯類、
【太陰病】
【少陰病】
麻黄附子細辛湯、四逆散
【厥陰病】
当帰四逆加呉茱萸生姜湯、四逆散、
風邪の症状は上のように進んでいきます。
一般的に、漢方では少し先の症状に使われるものをちょっと早めに用いることも多いです。
◆虚証の漢方処方
風邪をひきやすい
風邪がいつもなかなか治らない
ちょっとした風や冷機、軽い冷房ですぐに風邪をひく
陽虚→麻黄附子細辛湯
風邪をひいて全身が寒い
体を温めてもなかなか温まらない
手足が冷たい
高齢者、大病後
◆なぜ、かぜに漢方薬なのか?
・漢方薬の診断体系は、かぜについて細かく診ている
・安い(タミフル 317.5円/c、麻黄湯 20.25円/包)
・基本的に気にやさしいので食前や食間でも飲める
・薬剤耐性の危機を減らせる
・かぜをひきにくくすることができる
◆のどが痛いときは…
風熱(のどの痛みが強い)の処方で保険適応になっているものはない。
熱邪が主…銀翹散!
保険適応のあるものであれば、小柴胡湯加桔梗石膏!
咳があれば、麻杏甘石湯!
なるほど…なるほど…
かぜですぐに抗生剤を用いる危険性も訴えられている現在、漢方薬の活躍の場は大きく広がりそうです。
そして…手に入りやすい銀翹散は喉が痛い!という訴えにはすぐにオススメ出来そうです( *´艸`)
漢方を考えるときは、処方の中身の理解と患者さんの病態の理解が必要…
これは漢方に限らず普段の業務でも必要な知識でありながら、ヒトのカラダや病態にほとんど目を向けず、薬というモノだけを学んできた薬学教育の弱点でもあると思っています。
少しずつでも…知識の引き出しを増やしていかなくては( ..)φメモメモ