漢方マジック~二味の生薬 組み合わせで変身!!!!
中国医学の古典
最古の医学書である「黄帝内経」が書かれたのは約2000年前!!
「神農本草経」で1つ1つの生薬について解説されたのが約1800年前!!
「傷寒論」で生薬を組み合わせた方剤学により治療法が示されたのも約1800年前!!
漢方の歴史の長さには驚きが隠せない。この長い時間の中で有用な処方は生き残り、それ以外のものが消えていく…現代まで残っている処方には相応の効果が期待できるから…今、私たちがそれを学ぶことには意義がある!
使い方を間違えると効果がなく、時には害になることもある漢方の使い方は西洋医学とは異なる。
最近では、処方箋の中に普通に漢方処方が取り入れられているが、医師とは違った目線を持てる基礎知識があってこその薬剤師♬
漢方は「非科学」ではなく、「未科学」…今まで先駆者の経験から得た知識に対してエビデンスを出していく時代だが、私はやっぱり中医学的な考え方が好きで…
今回も漢方講義を楽しみました( *´艸`)
今回は、生薬を組み合わせることで高い効果が得られたり、毒性を抑えたりするというお話!!
◆生薬二味は漢方製剤の基本的骨格
・薬の効果はシャープに現れる
・⊕甘草…他の薬の力をUPしたり、和らげたりする。
大黄甘草湯…甘草を加えることでおなかの痛みを和らげる
⊕芒硝=調胃承気湯
芒硝は酸化マグネシウムのような働きをする
大黄甘草湯と酸化マグネシウムを服用している人に提案できるかも!?
◆桂枝・芍薬
中国では「桂枝」(温)「肉桂」(大熱)が使われる
日本では「桂皮」が使われる。 桂枝と肉桂の間の温め方
★桂枝⊕麻黄=発汗作用が強くなる
桂枝湯=表虚(体が弱く、軽く発汗している)
桂枝 芍薬 甘草 大棗 生姜 桂枝湯
⊕膠飴 小建中湯(小児の夜尿症、体力回復)
滋養強壮
⊕黄耆 黄耆建中湯(体力をつける)
補気、固表…毛穴を引き締める(多汗、寝汗)
⊕当帰 当帰建中湯
ストレス、イライラ、緊張による手汗(収斂作用)
★体力があれば、柴胡加竜骨牡蛎湯
麻黄 桂枝 杏仁 甘草 麻黄湯…関節の痛みあり。無汗。悪寒。
体力がある場合。小児の鼻づまりに。
発汗作用が強いので体力低下注意
水分摂取を行うように
⊖杏仁 ⊕芍薬 大棗 生姜 葛根 葛根湯…肩こりあり。無汗。悪寒。
ベースは桂枝湯
麻黄湯より発汗作用が弱い
◆半夏・生姜
⊕茯苓 小半夏加茯苓湯…つわりに効果あり
⊕蘇葉 厚朴 半夏厚朴湯…気滞に効果あり。リラックスできる
★半夏はベクトルが⇓なので、基本的には妊婦禁忌だが、つわりの時は⇑の状態なのでつわりの時のみ使用してよい。
蘇葉は安胎作用があると言われている
⊕陳皮 甘草 二陳湯…古いが良いとされるもの(陳皮、半夏)が含まれる
痰湿(舌苔が分厚い)
陳皮⊕半夏=悪心嘔吐や咳嗽を取り除く
二陳湯⊕四君子湯 六君子湯…高齢者で舌苔無い時は乾いてしまうので注意
◆当帰・川芎・地黄
⊕甘草 阿膠 艾葉 芎帰膠艾湯…止血(不正出血)⊕補血作用あり
⊖地黄 ⊕茯苓 沢瀉 蒼朮 当帰芍薬散…補血、利水(冷えてむくみやすい)
貧血⊕むくみ
★妊娠中のむくみに使用(安胎薬)
⊕黄耆 何首烏 防風 荊芥 シツリシ 当帰飲子…補血⊕止痒
(乾燥による痒み)
血が少なくて潤いがない
妊婦さんの体質は…「熱、虚」
熱性、活血、ベクトル⇓ の生薬は避けること。
ひとつふとつの生薬の性質、組み合わせることで起こる変化…知れば知るほど興味深くなる!!!
漢方…深~い世界です(*^^*)