学びのまとめ〜備忘録(*^◯^*)〜

一期一会〜今日の出逢いを大切に♫日々学んだこと=インプットしたことはアウトプットしないと記憶に残らないとのことで…本や研修会、調べものからインプットしたことをアウトプットする場にしたいと思います(o^^o)

認知症がよくなるってどういうこと?~認知症勉強会より~

現在の医療で認知症を治す…というのは正直難しい…

でも、本人も介護者も楽にすることが出来るのでは…そんな風に考えて治療をされている先生のお話を聞くチャンスをGET!!

認知症はタイプに分けて考えることもあるが、オーバーラップしていることもあるので一つに絞って薬を使っても対応が難しい場合がある。

認知症診療はまだ歴史が浅く、本人、家族とも診療に満足するのが難しい場合もある。

そもそも認知症がよくなる」というのはどういうことなのか、ということから考えさせられる講演だった。

大切な人を守るためにアクションを起こす!という先生の気合も感じられ…

 

認知症の症状】

 中核症状:記憶障害、判断力障害など

 周辺症状:陽性…暴力、妄想、不眠、介護抵抗など

      陰性…無気力、無言、無関心、うつ状態アパシーなど

 

認知症の診断】

 家族への問診、長谷川式、時計描写テスト

  (認知症診断はCTで行うわけではない!)

 認知症を鑑別するため、身体所見、血液検査、頭部CT

  (興奮がある場合は落ち着いてからCT検査を行ってもよい)

 ★認知症診断はざっくりでよい!!

  検査をするときは、その検査で本人が幸せになるかどうかを考える。

  タイプにこだわりすぎなくてもよい

 

認知症のタイプ】

 ①アルツハイマー認知症(ATD):アセチルコリン不足

   明るく、礼節が保たれ、普通の人に見える

   受け答えに違和感がない(取り繕い)

    →遠方に住んでいる家族は気づきにくい

   頭頂葉の老人斑=迷子、運転ミス

   側頭葉(海馬)の老人斑=記憶障害

   約20年かけて徐々に発症してゆっくり進行する

 ②レビー小体型認知症(DLB)アセチルコリンドパミン不足

   沈んだ雰囲気、前屈、ひざが曲がった状態で小刻み歩行

   意識障害あり=眠い(昼間)

   大脳皮質にレビー小体 蓄積(脳幹部に蓄積するのがパーキンソン病

   後頭葉の血流低下=視覚野が障害され、幻視、幻覚

   必ず振戦と歯車様固縮(ひじ関節がカクカク動く)を確認

 ③前頭側頭型認知症(FTLD)ドパミン過剰

   前頭葉=ピック病

    理性を司る前頭葉の脱抑制により酔っ払ったような状態になる

    易怒性、立ち去りあり

   側頭葉=意味性認知症

    言葉が出てこない(アルツハイマーと誤診されていることもある)

    語義失語(聞かれている言葉の意味が分からない)

    進行が速い

    普通の人に見えるがピック化したらだんだん怒りっぽくなる 

 ④脳血管性認知症

   感情失禁(泣き笑いのような状態)

   血流低下により前頭葉機能が低下→意欲、自発性が低下する

 

認知症の治療】

  患者が陽性?陰性?によって治療が異なる(エネルギーの強さを見る)

   →脳内のエネルギーはどのような状態になっている?

   →タイプ確定の検査より症状に合わせた処方も必要。

  どこを改善させたいか、どうなってもらいたいかという家族のニーズに応える

 ◆中核症状改善薬

  アリセプト

   興奮性あるため、エネルギーの強い人に処方すると易怒性が増す場合がある

   レビー型では数か月で歩けなくなることがある。副作用が出たら中止する。

   向いている人:怒りっぽくないアルツハイマー

  レミニール

   効果はマイルド

   脳内のドーパミン、アドレナリン、セロトニン、GABAを増加させる

   嘔気が出やすいので1か月はナウゼリンを併用する

   ★胃全摘をしている人は嘔気が増すので向いていない

   向いている人:長期に服用する人(比較的若い患者)

          失語症状がある人(失語改善効果あり)

  リバスタッチパッチ

   貼付剤でアリセプトより効果がマイルド

   脳内のアセチルコリンを増加させる

   皮膚が弱い人は注意。保湿でかぶれ予防をする。

   効果も副作用も2週間以内に出やすい

   向いている人:レビー小体型認知症

          覚醒効果、歩行改善効果あり

  メマリー

   NMDA受容体阻害により細胞保護効果あり

   陽性症状、陰性症状どちらにも効果がある(少々使いにくい)

   めまいが起きることがある

  ★中核薬は「効いたらやめる」=至適用量を超えると悪化することもある

    増やすメリットがなければ少量で維持する

    1か月単位くらいで総合的に効果判定する

  ★低用量が向いている人

    レビー小体型認知症(薬剤過敏性あり)

    85歳以上の高齢者

    体格が小柄

    経口摂取がままならない

    体力が落ちている

 ◆抑制系薬(周辺症状改善薬)

   家庭天秤法:家族、介護者が患者の様子を見ながら抑制系薬の増減を行う

   →適量が分かるのは日ごろの様子を見ている家族、介護者である

   興奮があるから、と抑制薬を増やすと傾眠、流涎、寝たきり、床ずれとなる

   高齢者は肝腎機能低下があるため、蓄積して作用増強する可能性がある

 

 タイプ別治療方針

   アルツハイマー

    妄想、易怒性なし→アリセプト

    易怒や妄想があり→グラマリール

   レビー小体型

    薬剤過敏性があるため、少量で様子を見る

    (風邪薬も効きすぎる可能性があるので抗ヒスタミン剤を含まないものを)

    すべての症状を完全にコントロールをするのは難しい(60~70%を目指す)

    意識障害がある場合覚醒させる必要がある

    (眠いと誤嚥、歩行障害の原因となり危険である)

    中核症状=リバスタッチパッチorレミニール

    幻視=抑肝散、プレタール

    陰性症状=サアミオン

    歩行障害=メネシット

   ピック病

    脳の中の嵐と言われている

    抑制薬を上手に利用する

   脳血管型認知症

    抗血小板薬の内服(プレタール、プラビックス)

    陽性症状=グラマリール

    陰性症状=サアミオン、シンメトレル少量

 

 認知症治療に際しては、家族はよくしたい!と頑張るが、本人はしんどくなっている場合もある。

 認知症を”病気”としてとらえるのではなく、”老化”の一部として考えれば穏やかに暮らせる。

 認知症になりたくない!…という想いはなぜ現れるのか…認知症になっても幸せに暮らせる世の中を作ることが大切である。

 

なるほど…が溢れている研修でした。

家族が認知症になったとして、どんなお医者さんに診てもらいたいのか。

私だったら、日ごろの症状をよく聞いてくれて、薬が合わないという訴えに真剣に向き合ってくれる…そんな先生がいいなあ~なんて思いました( *´艸`)