しゃっくり…びっくり!!!
誰でも経験したことがある…欲していないのに表れて、なかなか消えなくて困ってしまうことも…それは…しゃっくり!!!!
しゃっくりが止まらなくて…とやってきた患者さん。
西洋薬(精神神経用剤)が処方されていて…確かに適応はあるけれど、眠気が出てしまうのではないかとちょっと心配。
そんな時、もしかしたら漢方で対処できるのでないか…と調べてみた!(^^)!
◆しゃっくり(吃逆)の原因
①食べ過ぎや飲みすぎ(炭酸飲料のガス)による胃拡張、冷たいまたは熱いシャワーや飲み物による対内外の急激な温度変化により横隔神経が刺激され、横隔膜、呼吸筋がけいれんして急速に息を吸い込み、同時に正門が閉じて空気の通過を妨げ「ヒック!」という。
②血中の二酸化炭素濃度低下や電解質異常がおこるとしゃっくりが起こりやすくなる。 ex.腎不全患者
③脳血管障害や主要で中枢が圧迫される。ex.中枢神経障害
◆しゃっくりに使用される漢方薬
・呉茱萸湯…手足、胃腸の冷える人の吃逆に。
・半夏瀉心湯…胃弱の人の吃逆に。
・調胃承気湯…便秘におる気滞の吃逆に。
・柿蔕湯
柿蔕…理気薬(期待を破って、上逆する気を引き下げる
丁子…温裏去寒薬(胃の冷えを取り除く)
生姜…解表薬(胃の冷えを取り除き、嘔吐を止める)
★漢方治療の方針は、体の冷えと気滞を取り除き、上逆した気を引き下げること
◆しゃっくりの養生法
・早食い、食べ過ぎ注意
・熱いものや冷たいものを急にとらない
・刺激の強いものを大量に摂取しない
・アルコール、煙草を控えめにする
◆しゃっくり…なぜ止まる?…その他の対処法
・息を止める…血中の酸素濃度が下がり二酸化炭素濃度が上がる
・飲酒を控える…胃が膨らんで体が冷えてしゃくりが出やすくなる
少し前にはなりますが、柿蔕湯の臨床効果を見た論文もあり、有効率50%以上との報告もありました。眠気が出ることもないので高齢者でも使いやすいのかもしれません。
ただ、以前日経メディカルで読んだ記事に、誤嚥性肺炎で入院してきた高齢者で食事摂取の時にしゃっくりをする人がいて、食道下部に食物残差がはまり込んでそれが原因でしゃっくりを起こし続けていた、という例が載っていました。
何事もそうですが、症状を抑える方法だけではなく、なぜその症状が起きているのかという原因を考えることも重要だと思いました!!
体のバランスが崩れることで起こる様々な症状。
たいしたことではないと思っても不快な感覚があるとQOLは低下します。
ちょっとしたことでも相談してもらえる…そんな存在になれるよう頑張ります( *´艸`)